VRSionUp!7 Hubs Study

WebVR「Hubs」事例紹介& VTech Challenge 2020 募集開始

2018年6月にスタートしたGREE VR Studio LabはVRライブエンタメの研究開発組織として3年目に突入しました。 前回のVRSionUp6からちょうど1年。大きく変わるVRライブエンタメを取り囲む環境の中で、はじめての完全オンライン開催となる VRSionUp!7 はそのテーマでもある「Hubs」を中心とした。

Mozilla がオープンソースで開発する、ブラウザーで利用できるネットワークVR「Hubs」について、利用事例やテクニックなどの紹介を中心に据えた。またイベントの最後に、VRStudio Labの研究成果報告を行い、2年目となるハッカソンプログラム『VTech Challenge 2020』の詳細を発表し、参加者向けのガイダンスとVR内での懇親会を実施した。

Contents

2020/7/15 19:00~
VRSionUp!7 – YouTube Live
https://youtu.be/kfd9mNhCPsQ

【内容 】

  • Hubs概要 基本操作と注意事項の説明 0:00:00
  • 「Spokeを使ったイベント設営TIPS」 (静岡大学 / GREE VR Studio Laboratory Virtual Internとーやくん) 0:11:27
  • 「福岡XR部でのHubs活用事例報告っ!」 (福岡XR部 代表ながみね) 0:22:36
  • 「Hubsをつかった社内コミュニケーション」 (デザイニウム XR エンジニア William Chan) 0:36:58
  • 「Hubの日本語化とECサイト利用」 (株式会社デジタル・スタンダード 青柳幸彦) 0:51:31
  • 「イベント運営に便利なロール機能」 (株式会社 Wright Flyer Live Entertainment 中村清人) 1:08:00
  • GREE VR Studio Lab研究成果紹介 (GREE VR Studio Laboratory 白井暁彦) 1:21:36
  • 「熱狂共有技術『VibeShare』とVRStudioの研究生活」 (東京工業大学 / GREE VR Studio Laboratory 山崎勇祐) 1:27:21
  • 「Hubs Cloud研究 -公開リポジトリを中心に-」 (白井暁彦) 1:44:08
  • Hubs日本語ドキュメント 2:07:37
  • VTech Challenge 2020 公開 (VTC20事務局) 2:13:52
  • パネルディスカッション 2:22:00
  • クロージング(フォトセッション)交流会 2:21:01

タイムコードはYouTubeアーカイブへのリンク

以下告知ページからの内容再掲とともに公開された資料の共有です

発表者は全員、Hubsに関連したPDF資料を持ちこみHubs内でプレゼンを行いました。

(資料や外部サイトの引用は本人に許可を頂いております)

山崎洋一先生、解説ツイートありがとうございます。


「Spokeを使ったイベント設営TIPS」 とーやくん

静岡大学 / GREE VR Studio Laboratory, Virtual Intern

https://twitter.com/skg_ty

[YouTube]「Spokeを使ったイベント設営TIPS」 0:11:27


「福岡XR部でのHubs活用事例報告っ!」 ながみね

福岡XR部 代表

https://twitter.com/KzoNag

[YouTube]「福岡XR部でのHubs活用事例報告っ!」 0:22:36


「Hubsをつかった社内コミュニケーション」 William Chan

デザイニウム/ XR エンジニア

https://twitter.com/thedesignium/status/1276382425275265026

[YouTube]「Hubsをつかった社内コミュニケーション」 (デザイニウム) 0:36:58


「Hubsの日本語化とECサイト利用」 青柳幸彦

株式会社デジタル・スタンダード

https://digital-standard.com
[Hubsの日本語化とECサイト利用] Yukihiko Aoyagi, 株式会社デジタル・スタンダード – 部長

[YouTube]「Hubの日本語化とECサイト利用」0:51:31

デジタル・スタンダードさんによる独自ドメイン展開
https://digi-rooms.com/


「イベント運営に便利なロール機能」 中村清人

株式会社 Wright Flyer Live Entertainment

https://le.wrightflyer.net/
イベント運営に便利なロール機能 中村清人(株式会社 Wright Flyer Live Entertainment)

[YouTube]「Hubの日本語化とECサイト利用」 (青柳幸彦) 0:51:31


GREE VR Studio Lab研究成果発表

Hubs内を使ってGREE VR Studio Labの今年度研究成果の発表を行った。

VRStudioLab

「熱狂共有技術『VibeShare』とVRStudioの研究生活」 山崎勇祐

東京工業大学 / GREE VR Studio Laboratory

VRSionUp!7 “Hubs Study” – ViveShareとVRStudioの研究生活 山崎勇祐 (VRStudioLab)

GREE VR Studio Lab研究成果紹介 白井暁彦

GREE VR Studio Laboratory, Director

https://twitter.com/o_ob

Hubs Cloud研究 -サーバ・レポジトリを中心に-

Hubs Cloud研究-公開リポジトリを中心に- 白井暁彦(VRStudioLab)

[YouTube] Hubs日本語ドキュメント 2:07:37


VTech Challenge 2020告知

VRSionUp!7の最後に、同日に開催がプレスリリースされた「VTech Challenge 2020」の詳細が解説された。

VRSionUp!7 “Hubs Study” Main Slides – 後半にVTC20について

テーマ:Withコロナ時代の社会問題の解決

新たな感染症によって失われてしまった日常生活、仕事、学び、交流…新しく生まれた社会問題を解決する提案や実践的な使い方、アバターやワールド制作などのデザインを募集します。ブラウザで利用できるオープンソース・ネットワークVR「Hubs」を舞台に、学生・社会人・開発者・小学生など…すべての人が完全オンラインで学びながら共創する完全オンラインのハッカソンプログラムです。

詳細はこちら

VTech Challenge 2020

今回のVRSionUp!7を第1回の勉強会として、第2回は「Kids Workshop 2020」(森ビル株式会社主催)にてHubs内ワークショップ「WebVRでライブエンタメ番組を研究しよう」(予約制・年齢制限あり)が開催される。7/17受付開始。

「WebVRでライブエンタメ番組を研究しよう」
詳細:http://www.roppongihills.com/sp/workshop/2020/

パネルディスカッション

時間延長して登壇者によるパネルディスカッションが行われた。

https://www.youtube.com/watch?v=kfd9mNhCPsQ&t=8461s

[YouTube] パネルディスカッション 2:22:00

VTech Challenge 2020に対するコメント

ながみね「初見でこのテーマ重く見て『あんまり遊んじゃダメなのかな…』と思ってしまったが、そうでもない?」

とーや「難しい…」

白井「学園祭ぐらいで考えてほしいですね。『ウチ声優サークルなんですが』ぐらいの感覚で」

とーや「『Hubsだとこういうことができるよ!』という感じですね」

青柳「去年はストッキングが優勝したんですよね、Hubsで…っていうと難しいのでは…」

白井「触覚だってやるんですよ、ねえ山崎さん。Hubsでやれます?」

山崎「やれますよ…それ自体はそんなに難しい話じゃないので…何をやるかですよね」

William「コロナが終わった後でも使えるソリューションができたらいいですね!」

白井「Hubsの中でアルバイトするようなのいいですよね」

中村「あたらしいコミュニティができる場…みたいなものを感じていて…そうところをテクノロジーを使ってできるといいですね」

白井「応募資格は学生に限らずですし、ワールド、アバターに加えて、案件だけ持っている人などもいると思うんですよね…。そういう方が仲間を集めて参加してほしい。最優秀作品には Oculus Questなのでがんばって獲得してほしい。一度投稿してからも修正可能なので。」

VTC20エントリーフォーム
http://j.mp/VTC20E


懇親会

前回から1年ぶりのVRSionUp開催ということもあり、Hubs内懇親会は熱のあるディスカッションが深夜まで交わされていた。コロナ時代は人の物理的な距離について考えされられることも多いが、自分たちの考えていることが「まだ名前のつかない何か」であることを気づき始めている人々が確実に集っている場であった。彼らが VTech Challenge 2020 という新たな挑戦の場で、競い合いながら新しい価値を創造していくことを予感する。

どこからともなく、誰かが持ち込んだバーチャルな寿司とビールをふるまわれる

ふりかえり

対象者はWebXR初心者からUnity経験者、JavaScript開発者まで広く参加参加者を設定し、YouTubeLiveやHubsなどそれぞれのメディアにて参加する形態となった。

Connpassでの受付は以下の通り。

  • Media取材(Hubs) 先着順 2/4
  • Hubs内聴講(無料) 先着順 10/10
  • YouTubeLive視聴 登録者数37
  • Twitch視聴 無料 登録者数0

当日はHubs会場より中継、 YouTubeLive および Twitch によるオンライン開催配信とした。Twitchは登録者数がゼロであった。Twitchについては予測通り少ないが、こちらは Hubs における映像配信proxy として機能させているので特に問題はないと考える(アカウントの公開もしていない)。

YouTubeLive視聴は”どなたでも可能”とし、Connpassイベントからの申し込みは「Hubs会場」への招待URLをお送りする試みとした。Mozilla Hubsルームは標準で25人程度の人数制限があり、大量に突入されると快適性や音質に影響が出ることが予想された。また事前のアンケートでも「Hubs初心者」が多く番組進行上の混乱がが予想されたため、設計としてはHubsのルームを2つに分け、登壇者がメインの「スタジオ」と、その様子を一次配信としてTwitchに流し、そのTwitchストリームを視聴する「パブリックビューイング会場」を準備。Hubs参加者はパブリックビューイング会場を案内し、登壇中は他の参加者との共聴とYouTubeLiveでの配信、番組終了後の懇親会では研究成果発表会の会場に誘導することでHubsでの交流体験と視聴品質の両方を維持する設計となった。

番組終了時のYouTubeLive再生数が243件。ほとんど離脱がないことから、内容および品質は十分高かったものと考える。

配信の構成は上図の通りであった。以下スタッフの振り返りメモを共有して以後の知見としたい。

  • 配信する上で出た問題
    音声と配信カメラ周りについて。
    ルーム設定で音量をMAXにしていざ開始してみると、減衰が強いので登壇者がスライドから離れた時にカメラアングルの調整がとても難しかった。途中「配信の音が小さい」とのご指摘を頂いたのでOBS側の出力を上げると音が割れたりノイズ音が入ってしまいました。
  • YouTubeLiveの画面レイアウトでは、メイン会場を映したパブリックビューイング会場の様子を流すため、メイン会場にいるカメラにスライド拡大表示する手段が確保されていなかった。OBSによる資料画面への切り替えなどで登壇内容を視聴者に伝えられる手段を考えたい。
  • 音声設定に加えて、発表の立ち位置については予め登壇者とカメラ担当がリハ時に確認しておくべきと思いました(リハで実施してはいたが、登壇者のマイク環境標準化が難しい)。
  • パブリックビューイング会場をミュートすべきかどうか?
    このイベントの場合は、パブリックビューイング会場の光景をYouTubeに流していたので、ミュートで正解と思います。でないとYouTubeLiveに観客ノイズが載ってしまうので。
  • Twitchの安定性について
    準備段階でもそうでしたが、パブリックビューイング会場でTwitchの挙動が怪しかったです。見える人と見えない人がいたり、見えない場合に真っ黒になるなど。Twitchストリーミングが怪しいとなると、Hubsビューイングという形式そのものが怪しくなってしまいます。
    (社内Hubs環境の場合は配信自体は安定していたため、要検証と考える)
  • 音声劣化について
    「マイク入力→ PannerNode → OBS → Twitch → PannerNode → OBS → YouTube Live」と多くの段階を踏むことによる音質劣化が発生する。離脱率を見るに、快適ではないがギリギリ聞き取れるレベルでは。
  • 音量とパンについてはPannerNodeで調整の余地があるにはありますが、音質の改善は至難だと思います。配信形式の方を見直すほうが早そう。

立体音響 PannerNode の設定はラボでの研究とも絡めながら纏めていきたいと考える。

ライブエンタメのUXとしては単なる講演(録画かどうかに関わらず一方通行)に加えて、質疑応答や「パネルディスカッション」、そしてイベント最後まで視聴していただいた方への「懇親会」という構成で、「リンク1つで会場に行ける」というHubsならではの強みを実験してみた。実際に懇親会の滞留率も高く、ディスカッションも十分に行われたので、今後はconnpassの予約機能の流れを見直して「懇親会優待権」などの構成にしても良いのかもしれない。


[20200720追記] Hubs日本語ドキュメントを公開しました

[Google Photo Album] VRSionUp!7 Hubs Study


企画協力